長期ビジョンに向けた風土改革への挑戦
~主役は10年後の会社の中核をなす若手社員~

グローリー株式会社様事例インタビュー

国内外で通貨処理機のシェアNo.1を誇るグローリー株式会社。2018年3月に100周年を迎えたことを受けて、同社では10年後を見据えた長期ビジョンを策定しました。その実現のために何をすべきか――答えのひとつが、イノベーション創発イベント「GLORY Youth Challenge」でした。

サテライト視聴や応援で全社員参加型に

「とにかくオープンなイベントとしたかったんです」

そう語るのは経営企画部の丹羽重勝さん。ハッカソンとアイデアソンを融合させたイノベーション創発のための社内イベント『GLORY Youth Challenge』の担当者です。
このイベントは2018年10月18日と19日の2日間にわたってグローリー本社で開催されました。参加者は10年後に会社の中核を担っていることが期待される、入社10年目までの社員30人。5人ずつのチームに分かれてビジネスアイデアのプロトタイプを作りました。

ただ、イベント自体は参加した30人の社員だけでなく、全社的な取組みとして企画したもの。

一人でも多くの社員が参加できるようにサテライト視聴会場を設置し、オンライン中継を実施したほか、ウェブ投票システムを採用。会場以外の国内主要拠点13カ所からもイベントに関われるようにしました。
このような全社員を巻き込んだイベントは今回が初めて。

どの拠点の社員も日常業務で忙しいなか、本社で開催するイベントにどれほどの関心を寄せられるかは未知数でしたが、その心配は杞憂に終わりました。サテライト会場から応援した社員もいれば、ウェブ投票で参加した社員、オンラインで応援や助言を寄せた社員も多くいて、丹羽さんは「想像以上に参加していただけた」と、顔をほころばせます。

グローリーの社内イベント『GLORY Youth Challenge』の様子

入社10年目までの社員30人が5つのチームに分かれ、ビジネスアイデアのプロトタイプづくりに挑戦しました。

長期ビジョンを起点にイベントを企画

イベント開催半年前の2018年4月、グローリーは創業100年目を起点として将来像を描いた「長期ビジョン2028」を発表しました。長期ビジョンでは通貨処理機等で培った技術を生かし、人と社会の「新たな信頼」を創造することが謳われています。その実現に向けた施策のひとつとして始まったのが、今回のイベントでした。

「10年後がターゲットですから、一回限りのお祭り企画ではなく、ES(従業員満足)やチャレンジ精神の醸成、風土改革につながる取組みにしたいと考えました。また、長期ビジョンはトップダウンなので、今回の企画はボトムアップ型とし、トップとボトムの双方の視点が融合する場にしたいとも考えました。そして、全社員が参加できるオープンなイベントにしたいと考えたのです」

徐々にイメージは膨らんでいくものの、具体的な計画立案やイベント運営まで、すべてを自社で行うことは難しいので、丹羽さんは協力会社を探し始めます。

「複数の企業にコンタクトしたなかで、アイデアを引き出すプログラムが最も充実していたのがHackCampさんでした。また、私が伝えた要望を全部受け止めくれたことも有難かったですね。ぼんやりしたイメージでも、コンフリクトしそうなアイデアでも、『無理です』『できません』とは言われませんでした」

グローリー株式会社 経営戦略本部 経営企画部 経営企画グループ グループマネージャー 丹羽重勝さん

視覚会議で<ありたい姿>を合意形成

丹羽さんには当初から迷っていたことがありました。アイデアソンにするか、ハッカソンにするかという点です。グローリーはメーカーですから、社員にはイベントを通じて「新しい分野のモノづくり」の面白さを再認識してほしいとの思いもあり、最終的に何かしらの成果物ができるハッカソンの方が向いているのではないかと思いましたが、ハッカソンだと参加者が技術系の社員ばかりになることが懸念されました。
そのほかにもいくつか迷いが生じる部分が出てきたため、HackCampは「GLORYハックイベントのありたい姿とは」をテーマとする視覚会議(R)*の実施を提案しました。

「私を含め関係者6名で実施しました。普段の打ち合わせではアイデアが発散しがちなのですが、わずか50分間でアイデアが集約・可視化され、合意形成できたことがスゴイと思いました。また、視覚会議を通して自分の考えを整理することもできました」

この結果を踏まえて、今回のイベントはハッカソンとして打ち出すことになりましたが、「成果物は粗削りでも良いので、目で見てわかるモノにする」という条件を加えました。技術系以外の社員も参加しやすいように、アイデアソンの要素も組み合わせたのです。
また、仮想の参加者5名によるプレイベントも実施しました。目的は企画内容の検証です。今回の企画は「長期ビジョン2028」が原点で、丹羽さんはその策定に携わった一人ですが、プレイベントの際には「経営層から見た10年後と、一般社員から見た10年後のギャップに驚いた」そうです。
こうした気づきをもとに企画内容を微調整しながら、イベントの準備を進めていきました。

50分間で合意形成を実現する「視覚会議」は事前準備だけでなく、イベント当日にも実施されました。

視覚会議:50分でチームのありたい姿のビジョンを描くための合意形成メソッド
視覚会議Webサイト

良い意味で“らしくない”ところが社員に好評

8月、イベント専用ウェブサイトで正式に告知。ウェブサイトはコーポレートカラーを生かしつつも、ビビッドな黄色やポップな書体を採用して明るく躍動的なデザインとしました。また、イベントのテーマは、正式には「Let’s make はんぱねぇ 10年後!!~自働化社会/個体認証事業で描く未来~」。この表現も普段から金融機関を中心に事業を行っているグローリーにしては非常に斬新なものでした。

「初めは驚きましたが、今回は参加対象が入社10年目までの社員ですから、若々しくて良いと思いましたし、社員からも『良い意味でグローリーらしくない』との反応が返ってきました。らしくない雰囲気だったからこそ『今回の企画は何か違う』と期待されたようです。社内のメンバーだけで考えていたら、こうはならなかったでしょう」

らしくない雰囲気はイベント当日にも引き継がれました。冒頭あいさつに登壇した尾上広和社長はいつものスーツ姿ではなく、なんとイベントのために用意された、参加者と同じTシャツ姿。いつもより砕けた口調で、明るく参加者にエールを送りました。
また、参加者はチームごとにおそろいのTシャツを着用。色とりどりのTシャツの効果で会場内が華やかな雰囲気になったほか、オンライン中継を見ている社員からも「誰がどのチームなのかが分かりやすい」と好評だったそうです。
イベント2日目、各チームによるプレゼンテーションとタッチ&トライが実施され、会場にいる審査員とウェブ投票の結果から各賞が決まりました。優勝チームに贈られたのは中国深圳市場調査の権利です。深圳は世界でもキャッシュレス化が進んでいる街。そこで新たなビジネスのヒントをつかんでくることが期待されています。

イベントのためにTシャツ姿で登壇し、参加者へエールを送る尾上広和社長

普段は別々の部署に勤務する社員が一致団結してアイデア出しに奮闘

アプリやプログラムだけでなく、実際に手で触れられるものを作ることが条件のひとつ。アイデアを表現するために各チームが工夫を凝らしました

イノベーション創発イベントを実施するために大切なこと

今回の取組みを通して、丹羽さんのもとにはさまざまな声が寄せられました。
初期段階で多かったのはイベントの目的に関するもので、「事業創造のためなのか、人材教育のためなのか」という問いに、「もしも良いアイデアが生まれたら、どうするのか」「投資が必要になるのか」「どの部署が引き受けるのか」といった質問が重なりました。
丹羽さんの答えは「目的は事業創発でもあり、人材教育でもありますが、一番の目的は社員の意識変革です」というもの。「この企画を通して人材が育つことが期待されますが、人材を教育するだけの企画ではありません」「良いアイデアが出たら事業化を検討するべきですが、商品開発のためだけのイベントでもありません」ということを丁寧に説明しました。

また、イベント参加者からは「部門の壁を越えてチームメンバーと連携できたことが良い経験になった」との声が上がっており、他部門とのつながりが作りにくい若い社員の好評を得ました。
ほかにも「次はいつやるのか」「次回は参加したい」と、今後の展開に期待する声が寄せられ、丹羽さんは「想像以上に、前向きな社員、新しいことに挑戦したい社員が多かったことに驚いた」そうです。「今回参加できなかった人たちのためにも、サテライトやオンラインで応援してくれた人たちのためにも、引き続きチャレンジできる場を提供したい」と、丹羽さんは考えています。
「そもそも、今回の企画は風土改革が狙い。こうした取り組みを継続することで社員の意識が徐々に変わると思いますから、前向きに取り組むことを良しとする雰囲気、新しいことに挑戦しやすい社風が醸成されるのではと期待しています」

イベント開催中は全国各地の社員から「Sli.do」を使って応援メッセージが寄せられました

ポップなロゴや色違いのTシャツなど、あらゆる意味で“グローリーらしくない”仕掛けに満ちたイベントとなりました

「引き続きチャレンジできる場を提供したい」と語る丹羽さん

 

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