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グループの枠を超えた共創で未来を描く!バックキャスト手法で叶える価値創造
川田テクノロジーズ株式会社 様

技術開発において、アイディア創発や未来ビジョン策定は切っても切り離せないもの。橋梁などの大規模建設を主に手がける川田テクノロジーズでも、それは例外ではありませんでした。これまで、個人レベルでのアイディア出しにとどまっていた現状を打破したいと考えたときに求めたのは「バックキャスティング」であり、HackCampの「未来構想」プログラムはその要望を叶えるものでした。

☑POINT

  • バックキャストアプローチの実践を得意とするプログラムの企画設計と約1年にわたるプロジェクトの伴走
  • 属人化・タコツボ化しがちな組織にシナジーを起こし、内製化・自立・自走を支援
  • 一過性にとどまらない、再現性の高い共創メソトロジーの提供
  • 未来学専門家による「研究開発者のための未来思考」というコンテンツの提供
  • 生成AIの活用
  • 組織に応じて最適化を図り続け、今後のパートナーとして見守る

<今回お話を伺った方々>

川田テクノロジーズ株式会社
技術研究所 所長
金平 徳之 様

川田テクノロジーズ株式会社
技術研究所
田 千春 様

求めていたのは創発の「ファシリテート」と未来構想からの「バックキャスティング」

鋼製橋梁、PC橋梁、建築鉄骨などの設計から据付までを手がけ、その他にも、一般建築・システム建築、土木建設関連ソフトウェア開発の経営計画から管理までを行う川田テクノロジーズ。同社技術研究所の金平徳之さんは所長として、研究所の抱える課題を感じていました。

金平徳之さん

「これまで技術研究所は、各自のテーマで研究していればいいという認識でした。しかし10年前ごろから、各自バラバラの研究ではアイディアの芽が生まれないと感じ始めました。グループ全体のためにできることを模索し、シナジーを起こしてほしいという社内からの要請もあり、今までのようなタコツボ化した、横のつながりのない状態ではいけないと思うようになりました」(金平さん)

同社では、それまでも事業部のメンバーとアイディアを出し合ったり、一緒に課題に取り組んだりすることはあっても、個人的な付き合いの範疇にとどまっており、近年では、組織・グループとして手がけることの必要性を痛感するようになっていたそうです。

そして2016年から、社長の肝煎りで「グランドチャレンジ」構想(社内における、役職や所属を超えたイノベーションの実現を目指す取り組み)を立ち上げ、アメリカの研究機関のアイディア創発プログラムを導入して、2021年まで自社メンバーで運営を行いました。初回のこの取り組みから生まれたアイディアは、さらに発展を続け「3Dデジタル溶接マスク」として上市にまで展開するという成果を上げることができました。

その成果を踏まえて「グランドチャレンジ2」の展開が決まった際、金平さんは次のような方針変更を決めたそうです。

「技術研究所は取りまとめを行いつつ、アイディア出しにも集中したい。そこで『グランドチャレンジ2』の、ファシリテートは専門の方にお任せしたいと思いました」(金平さん)

そこで、同研究所の室田さんがファシリテート専門機関を探すことになりました。いくつかの候補がある中で、「グランドチャレンジ2」を実現するにあたって強く意識していたのは以下の点だといいます。

室田千春さん

「当初から、未来ビジョンを策定し、そこから逆算でバックキャストする手法を導入したいという想いがとても強くありました。検討の結果、単なるファシリテートのスキルだけではなく、この手法を取り入れて伴走してくださるのはHackCampさんしかないだろうという結論に至り、ご相談することにしました」(室田さん)

「グランドチャレンジ2」を実装するにあたって、課題から入るフォーキャストの手法に限界を感じていたという室田さん。技術研究所が求められている成果を出すには、「ありたい姿を描き、そこに向かうにはどうすればいいか」というバックキャスティングの手法が最適だと感じたそうです。そこで、バックキャストの手法を取り入れた未来構想プログラムを提供しているHackCampへの依頼を決断いただきました。

事業につながるアイディア出しをさらに深化させたい。
プログラム延期継続が決定

2022年8月に「グランドチャレンジ2」の予行演習として、HackCampのファシリテートにより、技術研究所のメンバー約10名で「技術研究所としてのビジョン策定」を行いました。その後2022年9月からは、主催は社内のイノベーション推進委員会、進行は技術研究所のもと、「グランドチャレンジ2」をスタートさせました。

メンバーは、社内の各事業部・各グループ会社からそれぞれ1〜2名ずつが満遍なく参加し、総数は約20名となりました。若手もいましたが管理職が4割程度という比率でした。参加メンバーの属性が偏らないように4グループに分け、2022年の10月から23年2月まで計5回に渡り、対面とオンラインのハイブリッド形式でワークショップを実施しました。HackCampのファシリテートにより、「視覚会議®️」でプロジェクトのありたい姿を共有した後に、フォーキャスト、ビジョンドリブンアプローチなどの手法を学び、アイディア選定とチームビルディングを行いました。

当初の予定では、2023年3月末に報告を兼ねた発表会が行われるはずでしたが、そこでいったん再考する必要が生じたと室田さんは話します。

「4つのグループからそれぞれ1つ、合計4つの案が出たわけですが、それぞれのアイディアは今すぐに検討・実現できるレベルの未来像でした。『せっかく未来構想からバックキャストしたのだから、これらの案を広げて、もっと大きな夢を語るような答えにたどりついてほしい』という要望が、イノベーション推進委員会から出されました」(室田さん)

これを受けて発表会は2023年10月に延期され、「もっと大きな夢を語るアイディア」を生み出すために、さらに10月まで未来構想プログラムが延長されることに決まりました。

延長後はさらに「未来構想」の思考強化。
生成AIも導入してのプログラム展開

「グランドチャレンジ2」を延長するにあたって、技術研究所にとっては、HackCampからの助言が大きな方針転換につながったといいます。

「グループで議論すると、どうしても角がとれてメッセージ性が弱くなりがちです。HackCampさんに『尖った意見を出すなら個人ですよ』と教わったことで、延長後のプログラムでは個人の発案を大事にしようという方針のもと、個人のワーク中心に切り替えました」(室田さん)

もうひとつの変更点は、ファシリテートを所長の金平さんご自身が担当すること。HackCampは、そのバックボーンとなるようなメソッドや研修の提供、インプットのための映像資料やアドバイスなどで支え、もちろん現場には毎回参加して、その場でも助言するような形でもサポートを継続しました。

延長プログラムに参加したメンバー13名を、管理職は外して若手のみに絞ったのもHackCampからのアドバイスがきっかけです。

「『アイディアは数が重要』『話し合って答えが出るものではない、とにかく数を出すこと』だとHackCampさんからは何度も助言いただきました。参加メンバーの選定では、若手の自由な発想を引き出す意図で、あえて管理職を外した若手のみに絞り、またアイディア出しの回をオンラインにしたことで、1人1人がフラットに意見を出しやすい空気が生まれました。こういったプログラムの組み方は、HackCampさんに本当に助けられたと思っています」(金平さん)

延長後のプログラムはSF思考を活用した「未来のストーリーづくり」を基軸に据え、アイディアづくりの実践のために、生成AIを積極的に導入したワークショップを実践しました。また、未来学の専門家とも連携し、「研究開発者のための未来思考」というコンテンツ提供も行いました。

HackCampからのインプットを、
今後いかに自社文化と混ぜ合わせて導入できるか

こうして延長後プログラムは終了しました。2024年4月からのイノベーション推進委員会では、これらのプログラムを通して出た案をさらに深化するための取り組みを、具体的に検討しているそうです。ひとつのアイディアをむやみに広げるのではなく深化させ、さらに足りないところを補っていくのが川田テクノロジーズの社風だと金平さんは言います。

「私たちは公共事業をやっているような堅実な会社なので、そもそもアイディアの種を出すことに慣れていません。今回のプログラムではまずはそこからのスタートでした。この点を相談しながら進めることができたのは、本当にありがたかったと思います」(金平さん)

技術研究の領域は、長期的なテーマに10年単位で粘り強く取り組んでいくことも多々あります。だからこそ、グループの枠を超えて未来ビジョンを策定し、共創することの意義を今回のプログラムと通じて感じることができたと、金平さんは言います。

「HackCampさんには、具体的な作業に入る前に、そのビジョンをみんなでしっかりと共有する必要性を教えていただきました。また、みんなで意識を合わせていれば、ビジョンは何度作り直してもいいのだということも。今回の取り組みでは、こうしたマインドセットはもちろんのこと、たくさんのメソッドやソリューションの提示や、具体的な組み合わせの提案を受けながら、何度も粘り強く相談に乗っていただきました」(金平さん)

金平さんは今回、HackCampとの協働により「ものごとを前に進めていくプロ」の必要性を実感したのだと言います。「HackCampから得た知見やスキルを自社文化と混ぜ合わせて、川田テクノロジーズに合った手法に練り上げていきたい」と話してくださいました。

今回のプログラムを通じて、川田テクノロジーズの中では、10年後を見据えた新しいプロジェクトの芽が生まれ始めています。こうした芽も時間をかけて深化させ、不足部分を補いながら、事業化の有無を検討し、時間をかけ育てていく。技術開発という長期的な時間を要する分野においても、HackCampの共創の価値を体感していただけたことを、本当に嬉しく思います。

目的

  • グループ全体で価値を創造していくための開発テーマの検討
  • 各部署単位での試みではなく、グループ全体へのシナジー効果

課題

  • それぞれのテーマで各自が研究するといったタコツボ化
  • 組織やグループ全体でひとつのテーマで議論する機会がない
  • 未来像へのアイディアが生まれづらい

効果

  • イノベーションにつながる開発テーマの芽を生み出すことができた
  • プログラムに参加した若手社員を中心に、意見を出し合うマインドが生まれた

導入の決め手

  • ファシリテートの専門家であることはもちろん、バックキャストアプローチへの知見が豊富

時期

2022年8月〜2023年10月

参加人数

前半(延長前)プログラム:20名
後半(延長後)プログラム:13名

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