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アフターコロナ時代のスマートライフにおけるオープンデータ活用ハッカソン
Aisa Open Data Challenge 様

テーマは”アフターコロナ”、イベントは”ウィズコロナ”

過去6年にわたりアジアを舞台にオープンデータハッカソンを実施してきたAsia Open Data Challenge。2020年の今年は台湾、韓国、日本の3カ国の参加により実施されました。
3カ国による事務局がイベントの準備を開始したのは2020年2月のはじめ。折しも新型コロナウイルスの影響により全世界が影響を受け、社会が大きく変化している最中でした。
今年のテーマは当初「スマートライフ」でしたが、コロナ禍の要素により注目した「アフターコロナ時代のスマートライフにおけるオープンデータ活用」となりました。

2019年もエントリー・予選はオンラインで実施したものの、日本ではインプットセミナーやハンズオン、ハッカソンイベントなどの現地イベントを参加者に提供してきました。
しかしながら、今年は、例年Asia Open Data Summitに併せて開催していて本プログラムの表彰式も、Summitの現地イベント中止にならい、オンラインで実施することになり、運営は文字通りウィズコロナとなりました。事務局はコロナ禍でのプログラムを意味あるものにすべく、知恵を出し合いました。

AODC2020概観

コンテストにはオンラインで、3カ国50チームを超える応募があり、各国で予備審査を通過した16チームが、2020年8月28日に、台湾、韓国、日本をオンライン会議で中継したファイナルピッチの舞台に立ちました。
例年、Asia Open Data Summitで実施される表彰式への招待が目玉の副賞でしたが、今年はサミットがコロナの影響で中止となり、表彰式は各国で実施することに。日本ではピッチデイの最後にオンラインで表彰式が行われました。

インプットのために実施した2つの国際的ウェビナー

企画の最中も刻一刻と変化する状況にあって、この過去に経験のない事態にあり情報は混沌としていて、どんな課題が顕在・潜在しているのか、どんなことが為し得るのかはまだまだ不明な状況でした。そこで、参加者のために3カ国で協力してできる学びの場を提供する目的で、2つのウェビナーを実施しました。

Webinar#1 6/2 19:00-21:00 (日本時間)
「台湾・韓国・日本のコロナ禍における政府のオープンデータ活用の最新事例とこれから」

台湾政府デジタル大臣オードリー・タン氏が基調講演、3カ国のゲストが政府・自治体によるコロナ対策の事例を紹介、3カ国のゲストによるパネルディスカッションも行いました。
ウェビナーのサマリーをこちらにまとめております。

https://hackmd.io/@DV3ZAS0kQZKBK61SCE6qlw/rJKL4TeIv

基調講演
“Fast, Fair, Fun” Digital Social Innovation オードリー・タン氏(Digital Minister Government of Taiwan)

ケーススタディ
「オープンソース・オープンデータによる次世代政府サイト構築について」

関 治之氏(Founder, Code for Japan / Digital Transformation Fellow, Tokyo Metropolitan Government)

「韓国政府のCovid-19におけるオープンデータ活用」
イ・フンジュン氏(Vice President, National Information Society Agency(NIA))

「ソーシャルアクションにおけるオープンデータ:オープンにするべきものは何か」
チーミン・ペン氏(Chairman of Organization for Data-driven Application (ODA))

パネルディスカッション
「台湾・韓国・日本のコロナ禍における政府のオープンデータ活用」

モデレーター リン・ヘジョン氏
台湾 チーミン・ペン氏
日本 関 治之氏
韓国 チョ・ソンベ氏

Webinar#2 7/8 19:00-21:00 (日本時間)
「COVID-19対策における 台湾・韓国・日本の官民連携事例」

次に、コロナ禍の状況で期待を集めるシビックテックにおいて重要となる官民の連携について、各国の事例を学ぶウェビナーを行いました。
本大会のスポンサーであるHERE Technologiesからもコロナ禍の課題とテクノロジーについてメッセージをもらいました。
パネルディスカッションでは、各国のゲストがアフターコロナの社会とテクノロジーについて意見を交わしました。

ケーススタディ
日本「コロナ禍におけるLINE株式会社と日本政府の技術チームの協働から得られた示唆」

砂金信一郎氏(LINE株式会社 執行役員 / AIカンパニー カンパニーCEO)

韓国「コロナ禍における韓国のシビックハッカーと政府とのオープンデータを活用した協働」
Ohyeon Kweon氏(activst of Code for Korea, founder of Parti Co-op.)

台湾「コロナ禍における官民一体となったデータドリブンなデジタルトランスフォーメーションの創出」
Tim Chen氏(Vice Chairman of ODA)

スポンサーのメッセージ
HERE Technologies「COVID-19の課題を位置情報技術で解決する」

Michael Chang氏 (HERE Technologies)

パネルディスカッション
「コロナ時代のオープンデータを活用したスマートライフ&ビジネスについて」

パネルディスカッションは事前にゲストに参加してもらった、アフターコロナの社会とテクノロジーについてのオンライン付箋ワークを見ながら進めました。
実際のMuralワークボードが見られます。

https://app.mural.co/t/hackcamp2810/m/hackcamp2810/1592270649836/4dda459110f8f1e8fa3073736f2eecd1bf91dd7d?sender=3dab888b-d489-4dda-8d02-0523499c5a9e

日本参加者向けオリエンテーション 国内のコロナ禍最新課題をインプット

また、6月15日の日本参加者向けのオリエンテーションでは、実際にこの数ヶ月に起こった変化や生じた課題を知っていただくべく、Code for Japan Social Technology Officerのご協力により、国内の3つのNPOからのゲストが、貧困、教育、防災におけるコロナ禍特有の課題を解説しました。

  • コロナ禍の貧困 NPO法人POPOLO
  • コロナ禍の教育 NPO法人発達わんぱく会
  • コロナ禍の防災 NPO法人JVOAD

また、今回日本の共同プラチナスポンサーとなった三菱商事株式会社 田代浩司さんが、三菱商事とHERE Technologiesのパートナーシップにより実現しうる物流・モビリティを始めとする様々な分野におけるデジタルトランスフォーメーションのアイデアについて、AODC参加者への期待を語りました。
HERE TechnologiesのMichael Cheongさんからは、コロナの状況でテクノロジーへの期待は最大限に高まっており、参加者のようなスキルをもったエンジニアが躍進するチャンスが来ている、というメッセージが語られました。

動画をこちらから視聴できます。

日本参加者向けオンラインハンズオン+ハッカソン

オンラインコンテストのため、開発は各自で時間をかけてやっていただくのですが、通常のハッカソンと違い、チーミングやアイデアブラッシュアップ、技術サポートの機会が提供できませんでした。
そこで、6月11日に、任意の参加者によるアイデアソン+チームづくり、HERE APIのハンズオントレーニング、チームごとの開発と発表をするオンラインイベントを開催しました。

コンテストファイナルピッチ Smart Deliveryチームが3冠

オンラインコンテスト決勝プレゼンテーションは8月28日、台湾・韓国・日本の3カ国を結んでオンライン開催されました。
予選審査を通過した3カ国16チームが英語によるプレゼンテーションで開発したサービスの有用性を訴えました。各国から1チームずつ選ばれる優勝チームのうち、日本からはLINEをベースに、郊外部の高齢者でも使いやすい配達システムを提案した「Smart Delivery (スマートデリバリー)」チームが選ばれました。同チームはスポンサー賞であるHERE賞、Mitsubishi-HERE賞も獲得、3冠に輝きました。

日本からは、スマートデリバリーも含め、「AI HELP ME 」「Smart Logistics 」「Matsuhashi&Tanaka」「okohama Wheel Map」「amas」の計6チームが参加しました。

優勝・HERE賞・Mitsubishi-HERE賞のトリプル受賞となったSmart Deliveryチームのプレゼンター・小笠原羽恭さんは「(人口の集中している都市部ではなく)Covid-19の影響下にある地方の課題の解決を考えてきました。こちらのアプリに関心を持って下さっている自治体や飲食店などとともに、より導入いただけるように努力していきたい」と喜びの声を語りました。

またチームメンバーの方からは「今回は1度もチームメンバーが集まって作業することがなかった。一方でオンラインで作業できたことで、私のように海外在住のメンバーも一つのプロダクトをみんなと作ることができてよかった」と話し、Covid-19影響下での共同作業に手応えを感じていた様子でした。

審査を担当した一般社団法人「Code for Japan」の関治之さんは「日本は『ローカルな現場にいる人々を助ける』傾向のサービスが多く、インクルーシブ志向が強いという印象を受けました。実際にPoCを実践している点に強みを持つスマートデリバリーさんが結果的に3冠にはなりましたが、他のサービスを提案したみなさんにもいい点がたくさんありました。今後もぜひ続けてチャレンジしていただきたいです」と、参加チームにエールを送りました。

3カ国の各賞受賞者は以下の通り。
▽日本
・優勝 Smart Delivery
・HERE賞 1,500ドル(3カ国から1チーム選定/HERE APIを使用したチームが対象)
Smart Delivery
・Mitsubishi-HERE賞 2,000ドル(日本のみ設定の賞/モビリティか物流・運送をテーマに選びHERE APIを使用したチームが対象)
Smart Delivery
・チームズチョイス賞(ピッチデイで各チームがお互いに投票し合い決定する)
Smart Logistics

▽韓国
・優勝
・HERE賞 1,500ドル(3カ国から1チーム選定/HERE APIを使用したチームが対象)
・チームズチョイス賞(ピッチデイで各チームがお互いに投票し合い決定する)

▽台湾
・優勝
・HERE賞 1,500ドル(3カ国から1チーム選定/HERE APIを使用したチームが対象)
・チームズチョイス賞(ピッチデイで各チームがお互いに投票し合い決定する)

主催者・スポンサー

今回の日本イベントは、例年通り一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構の主催により一般社団法人Code for Japanの協力の元、株式会社HackCampの運営で実施されました。
また、本年は以下のスポンサーの皆様にご協賛をいただきました。

共同プラチナスポンサー
三菱商事株式会社
HERE Technologies

ブロンズスポンサー
株式会社グラファー
株式会社自動処理
株式会社アスコエパートナーズ

おわりに 日本運営事務局より

今年のAODCでは、COVID-19という世界共通の課題への取り組みをテーマにオープンデータについて3カ国で考える場を提供することができました。
平成29年に決定されたオープンデータ基本指針により、国内の政府・自治体によるオープンデータ整備の取り組みは躍進しましたが、ウェビナーでも指摘されたとおり、日本のみならず、各国のオープンデータには一層の発展が期待されています。

データを公開する側と活用する側が手に手を取り合ってこそ、オープンデータの可能性は広がります。これからも引き続き、AODCがそのような共創の場を提供できる取り組みとなるよう、他開催国と連携して努力を続けます。

目的

  • オープンデータ利活用の推進/オープンデータ公開の推進

課題

  • オープンデータの利活用を推進するビジネスアイデアの創出

効果

  • COVID-19という世界共通の課題への取り組みをテーマに、オープンデータについて3カ国で考える場を提供することができた。日本のみならず、各国のオープンデータには一層の発展が期待されており、データを公開する側と活用する側が協調してこそ、オープンデータの可能性は広がることから、引き続き、AODCがそのような共創の場を提供できる取り組みとなるよう、他開催国との連携を継続したい。

時期

2020年6月〜8月

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