突然ですが、皆さんは最近市役所って利用されましたか?
普通に生活していたら、住民票とか証明書系の書類取りに行ったり、公共施設を利用したりくらいしか接点が無いですよね。
行政では、使えば便利なサービスやユニークな情報があって、発信もされてるのですが、多くの人には届いていません。
このハッカソンでは、スマホユーザーの9割が使っているプラットフォーム、LINEを使い、行政マンと地元のエンジニアリングのコミュニティで新しいコミュニケーションを生み出すサービスを作ることを目的に開催しました。
先日神戸市で第1弾を実施し、このレポートでは第2弾の千葉市の内容を記載しています。
なお、このハッカソンは全国津々浦々で開催されました。
会場は千葉の海浜幕張駅からバスで5分くらいの開発中の地域に所在する幕張BASE×LIBRARY
MASHUP AWARDS(日本最大規模のエンジニアの祭典)の伴野さんがファシリテーターとして当日の進行をしました。
実はこのGovHackは、MASHUP AWARDSでもLINEさんが「LINE GovHack賞」という賞を設けていて、ここのハッカソンで作った作品は、そのままシードで準決勝までいけるチャンスがあります。
LINE GovHack賞についてはこちらから
参加予定者がほぼ100%出席。
最初のインプットセミナーではLINE株式会社のテクニカルエバンジェリストの立花翔さんに事例や技術的に何ができるのかという話をしてもらいました。
立花さんは「LINE BOTを作ろう! Messaging APIを使ったチャットボットの基礎と利用例」という本を出されてるんですが、この本を片手に触ってみれば、誰でも簡単にチャットボットが作れるという、素晴らしい本です。
また、LINEのサービスは他のサービスと連携して作ると色々拡張できるため、この次のインプットタイムではMicrosoftさんが提供するCognitive Servicesの説明を、エバンジェリストの大森さんにしていただきました。
LINEでラーメンの画像をbotに送ったら、「こってりだねー」と返してくれるような画像認識や、信じらんないくらい簡単にFAQボットが作れるQnA Makerなど、すぐ使えるユニークなサービスを紹介してもらいました。
インプット後も沢山メンタリングしていただきました。
そして、インプットが終わった後はみんなでアイデア出し。
まず参加者全員が自己紹介をします。参加者同士初対面の人ばかりなので、どういう人で、何ができるのかをそれぞれ30秒でPRしてもらいます。行政マンの人は60秒喋ってもらいました。
そしてアイデア出しでは先ほどのインプットセミナーのネタでできることと、他にも自由にアイデアを出したりと、こんな感じで大量にポストイットにアイデアを出していきました。
アイデア出しの次は、一緒にチームを組みたい人を能動的に動いて囲うチーミングを行いました。
みなさんそれぞれのアイデアを持ち寄って、似たアイデアや、他の人が考えた面白いものに乗っかって、仲間を探します。
こんな感じで1日目は終了。
非常に濃密な3時間半となりました。
本番は次の日です。
2日目は9:30集合、10時開始って言ってたのに、9:00には参加者の方が集まり、開発を開始していた模様。
2日目の朝はhachidoriさんのインプットが行われました。
1日目に行われたナンパでは、技術力の高そうなエンジニアの方はすぐに囲われてしまうので、チーム内にエンジニアがいないチームもあります。
そこで、プログラミング無しでもbotを作ることができるツール「hachidori」を使って実装していくサポートのために、メンタリングに来ていただきました。
さて、ここからは開発風景です。
親子で出場のお二人。
なんと中学生でPC部。
各チームの机に、LINE社のエバンジェリスト立花さんが頻繁に登場。
初めて参加された方がほとんどでしたが、みなさんやりきった表情。
ここからはプレゼン発表と審査です。
プレゼンの時はみんな聞くに徹するためにシアター形式で行いました。
審査員は3名。
LINE社より、プラットフォームエバンジェリズムチーム マネージャー チーフエバンジェリストの 砂金信一郎さん。そして千葉市役所からお二方。総務局次長兼情報統括副管理者 大西 公一郎 様と、総合政策局総合政策部長 藤代 真史 様です。
発表したのは7チーム。
次ページでは、それぞれのアイデアとサービス概要を紹介します。
チーム名:ちば市のコールセンターを面白おかしくする会(仮)
サービス名:ちば市オモシロコールセンター(仮)
Hacklogからチェックできます:ちば市オモシロコールセンター(仮)
千葉市の市政情報に関する質問を、市のFAQをもとに回答するチャットボットだが、答えがクイズ形式だったり、質問の意図を間違えたり、勝手な思い入れを語ったりするので使用には根気が必要。
お茶目な回答の数々によりコールセンターへの、ひいては千葉市への市民の愛着を促す。
チーム名:千葉流
サービス名:マチバリ MAHIBARI
Hacklogからチェックできます:マチバリ
互縁(Goen)あふれる町づくり。疎遠になりがちな同じ町内の老若男女が、ちょっと困ったときや教えて欲しいことなどを「おねがいごと」として、また自分の得意なことやお手伝いができることを「まかせてごと」として登録し、それらをLINE@でつなぐことで、町内の互助とご縁を生み出します。
チーム名:ウチダ
サービス名:あなたのモヨウシお助けします
Hacklogからチェックできます:あなたのモヨウシお助けします
トイレに行きたい時にあなたの近くにあるあなたが求めるトイレを表示する。
また、トイレの評価をもらい補修、清掃頻度の見直しに利用する。
千葉市を訪れる外国人観光客や障害のある方などで、サポートを必要としている人とサポートできる市民をLINEビーコンを使って、マッチングし、おもてなしで迎える。
日本語のわからない外国人観光客でも、自分の顔写真を送るだけで、オススメスポットをグーグル・マップで紹介してくれる。
ユーザーが「何をしたいのか」に合わせて、的確な情報を発信。
また、駅、主要施設の混雑状況をみんなで報告し合い、それをみんなで共有できる。混雑を回避したスムーズな観光が可能になります。
18歳以下の子供に向けてまちづくり情報を敷居を低くして届け、BOTを使い意見収集をできるようにする。それにより市政だよりなどで届かない層にまちづくりに興味をもってもらい、市政を自分ごととして捉えてもらう。
以下は、その時の発表の模様です。
(いい意味で堅実なサービスの種が多く生まれたようです。)
(どきどきの質疑応答タイム)
(終わった後は懇親会)
いかがでしたでしょうか?
金曜夕方から土曜日まで、参加者の全員が真剣にサービス開発だけに集中する2日間。
普通、行政ではサービスを作る時は、いろんな民間サイドの意見を聞きながら仕様書を作成し、あとは外部に委託しなきゃいけないわけですが、仕様通りにいかず予想外の事態が発生して修正することは多々あり、加えてユーザーの声を聞いて検証しながら仕様を練ったり開発することは難しく、本当に必要とされるサービスにならないことがあります。
こうした単なる受発注の関係だとできないような「共に考え、共に創る」という体験ができたのではないかと思います。
2017年10月/2days
約30名/チーム:7チーム