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本当に走るハッカソン―ランナーや応援者がマラソンを10倍楽しめるアプリを作成!―
東北風土マラソン実行委員会 様

マラソンをITのチカラでもっと楽しく面白く!

このハッカソンのWHY!?(なぜ)

東北風土マラソンをもっと盛り上げたかったから。

このハッカソンのRESULT!?(どうなった!?)

アプリ実践の場があることでモチベーションアップ、あらゆるマラソン大会に活用可能なアイデア続出!

東北風土マラソン&フェスティバルの連動企画として実施した世界初の「本当に走るハッカソン」。既成概念にとらわれないアイデアこそがブレークスルーのポイント。

このハッカソンのWHY!?(なぜ)

東北を笑顔にするマラソン大会をより良いものにしたい!

運営団体 代表理事の竹川さん(写真左)と大会実行委員の田中さん(写真右)

東北の春の風物詩として定着しつつある『東北風土マラソン&フェスティバル』は竹川さんが発起人になってスタートしたファンラン大会です。

きっかけは2011年3月の東日本大震災でした。竹川さんは世界中の仲間に呼びかけて数千万円の寄付金を集め、3つの団体に託したのですが、その寄付金がどう使われているのか、本当に被災地の役に立っているのか、支援の効果がなかなか見えてきません。もどかしく思った竹川さんは一念発起。東北に笑顔を取り戻したいと、自ら行動を開始しました。

「東北のために何をすべきかを考えていたときにフランスのメドックマラソンを知りました。それはワインの産地として有名なメドック地方を走りながら、ワインを飲んだり、チーズやビーフなどの名物を食べたりするというもの。さっそくランナーとして参加したところ、地域の景色や食文化を堪能できて楽しかったし、経済波及効果の大きいイベントであることもわかって『これだ!』と思いました」(竹川さん)

メドックマラソンの参加者は約8000人ですが、ランナーの家族や友人が応援に来るため、来場者は毎年3万人に達します。会期中は飲食業や宿泊業など周辺産業が活性化し、数十億円もの経済効果があるそうです。東北の復興にこれ以上ない企画だと確信した竹川さんはメドックマラソン主催者の企画協力を取り付け、2014年春に「東北風土マラソン&フェスティバル」を開催しました。

「おかげさまで大勢の方にご協力いただき、大会は大盛況でした。でも、たくさんの課題が顕在化しました。たとえば、メイン会場と最寄駅の間を往復する40台のシャトルバスの運行管理がうまくいっていない。こういう課題はITを活用すれば解決できるのではないかと思っていたのです」(竹川さん)

東北風土マラソン&フェスティバルは復興支援という明快なコンセプトを持つ上に、スポーツ振興・食文化・地域活性化など多彩な要素があることから、竹川さんのもとには多数のコラボレーションの申し入れが寄せられていました。なかには竹川さんの課題解決につながりそうな提案もありましたが、いまひとつ話が前に進みません。

HackCampの関(写真右)とのコラボのキッカケは「ノリ」だったという

ちょうどそのころ、竹川さんはとある人材育成プログラムの参加メンバーとしてHackCamp代表の関と出会います。

「関さんのことは地域コミュニティ支援を行う『Code for Japan』代表として知っていました。関さんはソーシャルイノベータというだけでなく、多種多様なビジネス経験もあって親和性が高そうだと思っていました。一言で言えば、ノリが合いそうだなと(笑)」

竹川さんの直感は当たりました。人材育成プログラムで仙台に行った帰りの新幹線。竹川さんも関も座席はあるのに連結部分で始めた立ち話が盛り上がり、「これからこんなことがしたい」「こういうことができるのではないか」と語り合いながら、東京までの2時間を連結部分で過ごしたのです。

この出来事がきっかけとなって、竹川さんは関に東北風土マラソン&フェスティバルの課題を相談することにしました。その場には地域の名物グルメを扱うエイドステーションとウェブ周りを担当する田中さんも同席しました。

「シャトルバスの運行管理の話に始まって、エイド運営、ボランティア管理、そして大会のさらなる盛り上げにつながる取り組みなど、どんどん話題は広がりました。我々が抱いていた課題の多くは世の中のマラソン大会すべてに通じる普遍的なものでしたから、それならば思い切ってハッカソンをやろうということになったんです」(竹川さん)

こうして本当に走りながらハッカソンをするという、世界初のプロジェクトが動き出しました。

そもそも「ハッカソン」は「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語ですし、マラソンはお喋りできる程度の速度で長い時間を走るトレーニング方法が有効と言われているので、HackCamp社内では「いつかマラソンをしながらハッカソンをしよう」というアイデアが出ていました。そのアイデアは竹川さん、田中さんとの出会いによって、結実したのです。

このハッカソンのHOW(どうやって)

走る×考える×ランナー疑似体験=柔軟な発想に

走りながらブレストするといういまだかつてない試みがはじまった

2016年2月、東北風土マラソン連動企画として「本当に走るハッカソン ―ランナーや応援者がマラソンを10倍楽しめるアプリを作成!―」が開催されました。

テーマは、ランニングそのものを楽しむ『ランナー部門』、ランナーの応援体験をハックする『チア部門』、マラソン運営・エイドステーションの課題を解決する『エイド部門』、アイウェアメーカーJINSの協賛による『データビジュアライズ部門』という4つの部門が設定されました。

実施プログラムのメインは、異なる専門を持つ2人が短時間の議論で出したアイデアをメモ書きし、メンバーを交代しながら5セットを繰り返すというUCバークレーで開発された手法「Speed Storming(スピードストーミング)」という手法。

会場に集まった23名の参加者は企画趣旨や各種ツール・APIの説明を受けたあと、屋外に移動して、2人1組で走り始めました。コースは1周700メートル。

5~6分間かけて走りながらアイデアを出し合い、次の1分間で良かったアイデアをメモ書きすることを1ラウンドとし、ペアを交代しながら4ラウンド実施しました。

「走りながら考えると、頭がよく働くことは体験的に感じていましたが、実際に参加者から思いがけないアイデアがたくさん出ました。ランナーの気持ちを疑似体験できたことも効果があったと思います」(竹川さん)

その後、参加者は室内に戻ってメモ書きのアイデアを具体化し、全員で共有してより良いアイデアを選びました。そして同じテーマに取り組みたいメンバーが集まってチームを結成し、ハック開始! 翌日午後3時半のゴールに向けてアプリ開発に励みました。

「運営側が考えたアイデアは残念ながらひとつも選ばれませんでした(苦笑)。僕らはつい自分で壁を作ってしまうところがありますが、参加者は既成概念にとらわれず、自由にアイデアを広げてくれたところが良かったです」(田中さん)

走った後にアプリ開発、全てが斬新な取り組み

本イベントの写真ギャラリー

実際に行われたときに撮影したハッカソンの様子です、ぜひご覧ください。

写真を見る

このハッカソンのRESULT(結果)

入賞者には東北風土マラソンで実証実験を行う権利を進呈

JINS MEMEをつかったランナー体力可視化アプリ「ガソリンメーター」の表彰式

審査の結果、最優秀賞は、ランナーの体力という本来可視化できない数値を、独自のアルゴリズムを設計し可視化するアプリ「ガソリンメーター」に贈られました。使用するガジェットはJINSが提供するセンサー付きメガネ「JINS MEME」。ランニング中の姿勢がリアルタイムで把握できるので、過度な負担がかからないようにランニングフォームを意識しながら走ることができます。

続く優秀賞にはソフトバンクのロボットPepperを介して参加者が応援メッセージを送り合う「CHEERING RELAY」と、光るカード型ビーコンPicapicardを使った写真交換アプリ「みんなカメラマン」が輝きました。

「審査ではアイデアや完成度よりも、どれだけさまざまな人たちの悩みを解決できるか、テーマ性を重視しました。ガソリンメーターはランナーなら誰もが欲しいと思うアプリ。最初にアイデアを聞いたときは『本当に出来るのか?』と思いましたが、彼らは独自に計算式まで編み出して開発したところが素晴らしかったです」(竹川氏)

受賞した3チームには東北風土マラソンの場でアプリを実証実験する権利が与えられました。多くのハッカソンはモックアップ完成がゴールですから、実際に試す場は用意されていません。

「東京マラソンのような大規模イベントや、競技団体公認のオフィシャルな大会では実績のないシステムを持ち込むのは難しいでしょうね。その点、東北風土マラソン&フェスティバルはファンラン大会だけに、ランナー、ボランティアの方のためになる新しいアプリやサービスを試しやすいですから、ハッカソンとの親和性が高いと思います」(竹川さん)

大会当日、受賞チームのメンバーはスタート直前までシステム開発に取り組み、マラソン開始後もトラブル対応に追われていましたが、それでも他ではできない経験ができたようです。また、ランナーとしてフルマラソンに挑戦したり、東北の日本酒や美味を味わったり、ハッカソン参加者も東北風土マラソン&フェスティバルを存分に楽しみました。

このハッカソンのNEXT STEP(次のステップ)

参加者のダイバーシティを推進し、パワーアップを図りたい!

「走る+アイデア+アプリ」をフックに、国内外から東北に足を運ぶ人が増えてほしい

世界初の試みである本当に走るハッカソンを振り返って、田中さんは「次につながる感じが良かった」と言います。

「初めての開催でこれだけ面白いアイデアが出ましたからね。場所や参加者を変えたら、どんなアイデアが出てくるのか、妄想が膨らんじゃう(笑)」(田中さん)

「次はもっといろいろな人に参加してほしいですね。女性とか、東北風土マラソン経験者とか。今回は楽しく開催できたことに意義がありましたが、次はさらに質を重視したいと思っています」(竹川さん)

ハッカソンの質が高まれば、マラソン大会を面白くするアイデアの質も量も増大すると期待されます。マラソン大会をイノベートするアイデアが生まれるかもしれません。

竹川さんの「東北を笑顔にしたい」という思いから生まれた東北風土マラソン&フェスティバル。これからの展望を伺いました。

「マラソン大会をフックに、国内外から東北に足を運ぶ人が増えてほしいと願っています。メドックマラソンは参加者の4割が外国人ですが、なんとメドックワインの消費も輸出4割と、海外比率が同じなんです。偶然かもしれませんが、メドックマラソンがメドックワインを有名にしたことは間違いありません。東北風土マラソン&フェスティバルが東北のお酒や食を世界に広めるきっかけとなることを、また、この大会が地域に根差し、地域の人々が自分事として率先して取り組むイベントとなることを願っています」(竹川さん)

「東日本大震災が発生したとき、事態を重く受け止めてしまったからこそ支援活動に踏み出せなかったと後悔している人もいるはずです。しかし、歳月と共に被災地が必要としていることも変わります。出来る時に出来る人が関わればいい、それが社会だと思うのです。今だから出来ることもきっとあるはず。一見するとマラソン大会はカジュアルな支援に思えるかもしれませんが、5年前に支援活動の一歩を踏み出せなかった人にとっても、東北風土マラソン&フェスティバルは被災地支援の扉を開くきっかけになるかもしれないし、そうなれたら嬉しいです」(田中氏)

ありがとうございました。

HackCamp 関から、対談を終えて

まずは東北風土マラソン&フェスティバル2016の成功、おめでとうございます!

初めは大会運営に役立つアプリをご提案するつもりが、お二人のアツい思いを伺ううちに、これはハッカソンしかないと確信しました。

企画で意識したのはハッカソンの成果を大会当日に結び付けること。

事前準備だけでなく、ハッカソン終了後も参加者とコミュニケーションを取るなど、大会に向けて伴走させていただきました。

東北風土マラソンは最先端ITが使われる、ITのファンラン大会でもあると認知されるように、これからも一緒に盛り上げていきたいと思っています。

プロフィール

代表理事 竹川隆司(たけかわ・たかし)

国際基督教大学を卒業後、野村証券に入社し、ロンドン赴任などを経てベンチャー企業経営に参画。2011年に朝日ネットに入社、米国子会社の設立などに携わり、2014年に同社を退社。同年、(一社)東北風土マラソン&フェスティバルを設立して代表理事に就任、現在に至る。米ハーバードビジネススクールMBA取得。第4回「社会イノベーター公志園」出場。

実行委員 田中直史(たなか・なおぶみ)

大手ゼネコン、ネットベンチャー、ヤフージャパン株式会社、楽天株式会社を経て、株式会社ラストワンマイルを創業。アスリート向けソーシャルファンディングサイトの立ち上げや白馬国際トレイルランなどのスポーツへの関わりも深く、竹川氏とは知人の紹介で知り合い、、2015年から実行委員に就任。20種類近くの東北の食べ物や飲み物をを提供する“エイドステーション”のアレンジメントとエイドボランティアの統括をメインに、IT,web関連の業務も担う。

「東北風土マラソン&フェスティバル」とは

2014年から宮城県登米市で開催されているファンラン大会。

春の東北の田園風景の中を、東北各地の名物グルメを食べ、日本酒の仕込み水を飲みながら、走る楽しみを存分に味わうイベントとして注目を集め、2016年は4000名を超えるランナーが全国から集結。

マラソン大会と同時開催の登米フードフェスティバル、東北日本酒フェスティバルなども含めると、2日間の来場者数は3万5000人超。

目的

  • 東北を笑顔にするマラソン大会をより良いものにしたい

課題

  • 東北復興支援にとどまらず、スポーツ振興・食文化・地域活性化等の多彩な要素を取り込んだマラソン大会として更なる発展を遂げたい

効果

  • ランナー部門、チア部門、エイド部門、データビジュアライズ部門の4部門をテーマとして設定し、2人1組のペアで実際に走りながらアイデア出しを実施してアイデアを紙に書き出すというワークを複数回行った。その後、全体でアイデア共有をした後、チームに分かれてアプリ開発に取り組んだ。入賞者には大会当日に実証実験できる権利が与えられ、通常では体験できない経験・機会を提供することができた。

導入の決め手

  • ハックキャンプ(代表:関)が多種多様なビジネス経験を持っているという点が、本件の課題解決に親和性が高そうと感じたから。

時期

2016年2月/2days

参加人数

23名

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