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個人の成長を促進する環境、ホーム・成長フィールド・型づくり

2021.12.21

こんにちは。

HackCamp代表の関 治之です。
本記事では、HackCampの「個人の成長」を重要視する組織文化についてお話します。

HackCamp では、個人の成長を最も大事な事としています。企業のために個人を犠牲にするのではなく、個人の成長にフォーカスすることが、会社の成長につながると認識しているからです。
また、HackCampのミッションが「共創の民主化」である以上、我々の組織も、個人のそれぞれの主体的な成長に沿ったものである必要があります。

個人の成長が加速する環境を作るために、HackCampでは3つの領域を重視しています。ホーム、成長フィールド、型づくりです。

ホーム:安心安全な環境

ホームとは、メンバーそれぞれの信頼関係の上に成り立った、安心できる環境です。
そこでは、無理に自分を強く見せたり、弱みを隠したりする必要はありません。ありのままの自分でいられる、やさしい環境が理想です。やりたくない事を無理矢理にやらされるような環境ではいけません。もちろん、HackCampでも「申し訳ないけれどこれお願い」といったような依頼はありますが、お互いの信頼関係の上で成り立つお願いであるべきです。

例えばHackCampでは、急に子供に熱がでて病院に連れて行かなくては行けなくなった時でも仕事を引き継ぐことができるようにプロジェクトにサブ担当を置く「バディー制度」というものがあります。また、社員を信頼しているから、出社時間も退社時間も自由ですし、会社に来ても来なくてもかまいません。

先日、「サポートしてもらえるとしても、自分の事情で仕事をカバーしてもらってばかりというのはどうしても気を使ってしまう」という意見が社内からあがり、どうしたら気兼ねなくヘルプサインを出せるか?という点について議論になりました。こういう議論がちゃんとできることがHackCampのホームだと思います。

我々の実際の社会は、いろんな人の助け合いで成り立っています。本来、人間は困っている人は助けたい生き物です。今強い人も、家族ができて、子供ができたら誰かを頼る必要が出てくるかもしれません。本人が病気になるかもしれませんし、親の介護などの事情でバリバリ働けなる時もあるはずです。いつヘルプサインを出す側に回るかはわかりませんので、助け合うのは当たり前の行動です。「人助けをしたら報酬が増える」といった金銭的なモチベーションは作りたくありません。情けは人のためならず。弱みを見せることがむしろ、よりよいホームづくりにつながる仕組みを作っていきましょう。

信頼しあえる環境が整うことで、次の「成長フィールド」で挑戦することができるようになります。信頼関係は、イノベーションを加速するベースなのです。

成長フィールド:挑戦を経て成長する

成長フィールドとは、スタッフそれぞれが成長するためのフィールドです。ただの安心安全な環境で仲良しグループをやっていても、社会に価値を提供することはできませんし、個人としての成長もありません。社会に価値を提供していなければ稼げませんし、稼ぎがないと、安心して働けません。成長フィールドは、それぞれが未経験の分野に挑戦したり、それまでやっていたことよりも高度なことに挑戦するための仕事や、マイプロジェクトを実施するための機会です。自分の得意な事や確実にできることだけをやっていては、新たな学びはありませんので、常に成長フィールドに身を置くことが大事です。できるようになったことは手放すか、新しいやり方を試すことも必要です。

ただし、この成長フィールドには、誰かに強制されることなく、「自ら」飛び込む必要があります。
快適な領域から抜けて未知の領域に飛び込むわけですから、誰でも新しいことに飛び込むことは怖いものです。そこで必要なのが、「ワクワク」です。仕事の中からワクワクを見つけ出したり、ワクワクする仕事を持ってきたりと色々な方法はありますが、とにかく心の底からワクワクできることを見つけて欲しいと思います。
「ワクワク」と「楽」とは違います。成長のためには困難を乗り越えることも必要です。山登りをしたあとに開けた景色を見て感動を覚えるように、困難をも楽しめるくらいのエネルギーを充填しましょう。

先日、スタッフとHackCampでの採用面談の時の話になって、会社が必要とする能力や経験、人柄をたくさん聞かれると思ったら、逆に「どんな風に働きたいですか?」と聞かれて、「え、そっちじゃなくこっち?」というような驚きがあったと言っていました。「雇用側の評価の基準があって、それを満たす、要件があってそれにフィットする」ということではなく、「何をしたいか」を常に問い、成長フィールドに飛び込むことを皆で応援していきましょう。

ワクワクを元に成長フィールドで挑戦することで、成功しても失敗しても、新たな学びを得ることができます。その成長を促進するには、良質なフィードバックが必要です。良いことだけでなく、改善すべきことをチームから伝えることが必要です。時には言いにくいこともあるかと思いますが、本人の為であれば、愛を込めて伝えましょう。本人の成長のためであれば、正直な、多少厳しいフィードバックも時には必要です。

皆が成長フィールドで新たな領域を広げていくことで、HackCamp ができることが増えていきます。それぞれが違う方向を向いている方が、組織としてできることが拡張されていきます。だれにも負けないこだわりの領域を作りましょう。

HackCampの領域拡張

型づくり:型を通じて文化を作る

各自の経験から培ったノウハウをチームに還元するのが、「型づくり」です。ハックキャンプは、共創を民主化するためのさまざまなツールを作っています。例えば、「新しいアイデアを生むためには批判せずにたくさんアイデアを出しましょう」という抽象的なことを言うよりも、「10分でこのマンダラを埋めてみましょう」だったり、「5分だけ自分で付箋紙にアイデアを書いて、そのあとホワイトボードに貼りに来てください」といった方が、誰でもアイデアを出しやすくなります。
1時間の会議の納得度を劇的に変える「視覚会議」や、これまでHackCampが生み出した、アイデアソンのためのさまざまなテンプレートも、「型」です。チームで納得度の高い「あるべき未来」を作り出す、「バックキャスティング」もそうです。一番大きな型は、ビジョンであり、HackCamp Way です。個人の経験やノウハウを型化することで、それが再生産可能なものになっていきます。さらに、そのテンプレートをオープンに公開することで、民主化が広がっていきます。

ものづくりの現場には、製品を効率よく生産するための道具である、「治具」というものが存在します。そういったツールもどんどん作っていきましょう。例えば HackCampでは Asana を使ってタスクやプロジェクトの管理を行なっていますが、仕事の内容に応じてさまざまな Asana 用テンプレートを作っており、プロジェクト進行上抑えるべきポイントが、誰でもすぐに把握できるようになっています。

ただし、型に頼りきりではいけません。日本の茶道や武道の世界には「守破離」という言葉があります。元々は千利休の「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」という和歌から生まれたものだそうですが、最初は型を守り(守)、次にそれを元に自分にあった型を作り出し(破)、型から離れて自分なりの新たな型を作ることができる(離)という成長のプロセスを指しています。最終的には自分で型を作れるようになりましょう。前回紹介した、「大人の知性の3つの段階」にも近いですね。

型がたくさん生まれることで、共通言語が生まれます。共通言語がたくさん生まれると、そこには文化が生まれます。HackCamp の生み出した型や言語が、「共創の文化」として世の中に浸透していくことが、私たちの目指すべきことです。もちろん、私たちの「ホーム」は、そのような文化を反映したものであるべきです。

HackCamp の大事にする3つの領域について紹介させていただきました。
これを読んだ皆さんも、自分の会社の文化をこの3つの領域で整理してみてはいかがでしょうか。何か発見があったらフィードバックをもらえたら嬉しいです。

▶︎ 関連リンク

HackCampの “共創スピリット” (カルチャー)

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