新しいプロジェクトやチームが始動する際、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、異なる視点やスキルを活かすことで大きな成果を生み出すことができます。しかし、そうした多様性は同時に課題も生み出します。

本記事では、新しいプロジェクトやチームの成功を確実にするためのキックオフのポイントについて解説していきます。特に、チームビルディングに焦点を当て、心理的安全性を保ちつつ、プロジェクトをスムーズに進行させる方法を紹介していきましょう。

目次

• 新しいプロジェクトやチームのリーダーが抱える課題
• 課題が引き起こす負のサイクル
• 課題が解決されたチームはこう変わる！
• 解決策：成功の循環モデルを作るキックオフ

1. 新しいプロジェクトやチームのリーダーが抱える課題

新しいプロジェクトにアサインされたリーダーは、以下のような課題を抱えることが多いのではないでしょうか。

① メンバーの個性への不安

新しいプロジェクトをリードする際、リーダーとしてチームにどんな個性を持ったメンバーが集まるのか不安を感じることが多いですよね。多様な背景やスキルセットを持つメンバーが集まることで、特性を理解し、チームとして統一感を持たせるのが難しくなります。この不安が解消されないと、リーダーの決断力が低下し、プロジェクト全体の進行に影響を及ぼしてしまいます。

② 業務とプロジェクトの並行進行

組織横断型プロジェクトの場合、メンバーが自身の本業とプロジェクトを並行して進めなければならない状況に直面しることも多いでしょう。限られた時間の中でプロジェクトを進めることは、メンバーにとって大きなストレスとなります。特に、プロジェクトに必要なリソースや時間を確保できないと、全体の進捗が遅れ、目標達成が難しくなってしまいます。

③ 未知もしくは経験の浅いテーマに取り組む必要がある場合が多い

特に新しいプロジェクトやチームでは、新しいテーマや未経験の領域に取り組むことが多くなります。その際、チームが新しい知識やスキルを習得する必要があるため、プレッシャーが高まりますよね。未知の課題に対処するための準備が不足していると、プロジェクト全体の進行が遅れ、成果を上げることが難しくなります。

2. 課題が引き起こす負のサイクル

こういった課題をリーダーが持っている時、チームにどんな負のサイクルが生じてしまうでしょうか？

① 心理的安全性の欠如

リーダーが心理的安全性を確保できないと、チームメンバーが安心して意見を言えない状況が続きます。メンバーが意見を出し合わないと、コミュニケーションが不足し、不信感が生まれます。この不信感が蓄積されると、チーム全体の士気が低下し、プロジェクトの成功が難しくなります。

② モチベーションとエンゲージメントの低下

リーダーが明確な目標やビジョンを示せないと、メンバーのモチベーションやエンゲージメントが低下します。メンバーがプロジェクトに対して主体性を持てないと、全体のパフォーマンスが低下し、プロジェクトの進行が停滞します。

③ 具体的なアクションに繋がらない

リーダーが目標設定を曖昧にしていると、具体的な行動に移れません。メンバーが何をすべきか明確でないと、効果的なアクションプランを策定することができず、結果的にプロジェクトが停滞する原因となります。

④ 目先の業務に追われる

リーダーがメンバーの日常業務を考慮せずにプロジェクトを進行すると、メンバーがプロジェクトに集中できず、成果が出にくくなります。これにより、チーム全体のフラストレーションが高まり、プロジェクトの進行がさらに難しくなります。

3. 課題が解決されたチームはこう変わる！

では、成果を出し続けられるポジティブな循環の中にあるチームでは、どのようなことが起こるでしょうか。

① プロジェクトの自分ごと化

リーダーがメンバーにプロジェクトの意義を理解させ、共感を得ることで、メンバーがプロジェクトを自分ごととして捉え、積極的に取り組む姿勢が生まれます。

② 心理的安全性の確立

リーダーが心理的安全性を確保することで、メンバーが安心して意見を言い合える環境が整い、活発なコミュニケーションとアイデアの共有が行われます。これにより、チーム全体の士気が向上し、プロジェクトの進行がスムーズになるでしょう。

③ 高いモチベーションと成果

リーダーがチーム全体のモチベーションを高め、目標に向かって一致団結させることで、明確な成果を出し続けるチームとなり、プロジェクトの成功が確実になります。

4. 解決策：成功の循環モデルを作るキックオフ

このようなチームのポジティブな循環を作るために、リーダーができることは何でしょう。チームの良い循環を回していくために最も重要なことは、最初のキックオフフェーズです。キックオフの際にどんなことが実現すると望ましいのか、具体的に挙げてみました。

① 共感と納得感の醸成

リーダーはプロジェクトの初期段階でメンバー全員がプロジェクトの意義を理解し、共感を得ることが重要です。メンバーがプロジェクトを自分ごととして捉えることで、主体的に取り組む姿勢が生まれます。これを実現するためには、プロジェクトのビジョンや目標を明確にし、全員が納得できる形で共有することが必要です。

② 心理的安全性の確保

リーダーは心理的安全性を確保するために、安全な環境を作ることが不可欠です。具体的には、意見を自由に出し合える場を設け、メンバーの意見を尊重する文化を育むことが重要です。リーダーは、メンバーが安心して発言できるようなファシリテーションを心掛ける必要があります。

③ 明確な役割分担

リーダーはプロジェクトの成功には、各メンバーの役割と責任を明確にすることが重要です。具体的なアクションプランを策定し、誰が何をするのかを明確にすることで、チーム全体が効率的に動くことができます。役割分担を明確にすることで、メンバーは自分の役割を理解し、責任を持って取り組むことができます。

④ 成果に繋がるアクションの具体化

リーダーはアクションプランを具体的にし、実行に移すための計画を作成します。目標を具体的に設定し、進捗を管理することで、メンバーは自分の進捗を確認し、必要な調整を行うことができます。これにより、成果を上げるための目標設定と進捗管理が可能になります。

5. まとめ

新しいプロジェクトやチームの成功には、初期段階でのキックオフが非常に重要です。リーダーは共感と納得感を醸成し、心理的安全性を確保することで、チーム全体のエンゲージメントとパフォーマンスを向上させることができます。また、明確な役割分担と具体的なアクションプランを策定することで、プロジェクトの成功を確実にします。この記事で紹介したポイントを実践し、新しいプロジェクトやチームの成功を目指しましょう。