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人的資本経営の起爆剤「対話」を構造化する アウトプットを生み出す新しい対話の形 共創ワークショップ

2023.5.23



2023年の会計から、有価証券を発行している企業を対象に「人的資本情報」の開示が義務化されたことが大きな話題になっています。「人的資本」はいまや経済界のバズワードとも言えるでしょう。
2017年に発表された「伊藤レポート2.0」は、日本企業の人的資本への投資のパフォーマンスの悪さを指摘。トップダウンといったレガシー的な企業文化を見直し、人材の能力活性化を促すために、「経営陣・社員それぞれが企業文化をどのように体現し、定着させるべきかを考え」、経営陣が「社員と直接対話する」ことが求められているとしています。
人材は、いまや資源でなく資本です。経営陣のビジョンを共有し、社員のモチベーションに火をつけ、能力活性化に導く「対話」とはどのようなものなのでしょうか。
多くの企業で、対話の構造化のお手伝いをしてきた「HackCamp」が、良質なアウトプットを生み出し、新規事業開発などにも繋がる本質的な対話の方法を紹介します。

今求められている「対話」とその実情

組織の経営戦略の一体的な実行を促すためにも、経営層と社員間での活発な対話が重要です。このような対話では、経営陣のパーパス(目標や存在意義)やその真意であるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を浸透させ、また社員に自身の気づきや希望を認知してもらい、それらを相互に理解しあい近づけることを目指します。MVVと社員のウィルが同じベクトルに向けば、社員も仕事の意義をしっかりと感じられるようになり、個人の能力がより活性化されるでしょう。トップ層が時間という経営資源を社員との対話に割くことには、十分なリターンがあると考えられているのです。

ビジネスの現場で「対話」が重要だという認識は広まりつつあります。しかし、具体的に何をすることなのか、どんな効果があるのかまでは、あまり認識されていないようです。「対話」というワードは、ともすると一般的な「会話」のようなものを想起させるかもしれません。しかし、ビジネス文脈における対話では「傾聴」を重視します。対話は相互理解や協力関係を築くことに主眼を置くので、お互いの意見を尊重し共通点を見つけ、傾聴し共感する態度が必要とされています。

「対話」は時に「議論」と勘違いされることがありますが、相手を説得したり主張を通したりする議論とはまったく違うものです。また上位役職者と社員の間でよく設けられるような「面談」とも違います。決してアドバイスやジャッジメントの場ではないことを、役職者は覚えておかないといけません。

今、様々な組織で対話の方法として1on1ミーティングや対話ワークショップなどが取り入れられています。その実情と問題点を洗い出してみましょう。

1on1の特徴と失敗例

1on1ミーティングを対話の一形式として取り入れる企業は増えています。役職者と社員が膝を突き合わせ、立場の違いを越えてざっくばらんに話をする機会は貴重です。年齢や立場が違うからこそ、お互いに思考が整理されてアイデアが閃いたり、個人の希望や成し遂げたいことを認知できたりすることもあるでしょう。CEOが社員全員に1on1を行う企業もあります。

しかし、1on1ミーティングを雑談でなく意義のある対話にするには、役職者側にコーチングなどのテクニックが必要です。1on1で社員の心理的安全性を高めるためには役職者側は上手に黒子になる必要があります。しかしその役職者側のケアは放置されがちです。これでは役職者のほうが先に消耗し、バーンアウトしてしまいかねません。
また大きな組織になるほど、一人ひとりに実施するには膨大な時間がかかります。1回実施して終わりでは、対話の本質であるお互いの理解まではたどり着けません。鳴り物入りで1on1ミーティングを始めたものの、十分な時間が取れないため効果を実感できず、竜頭蛇尾で終わってしまう例は多々あります。
くわえて、1on1ミーティングでは役職者側には知見がたまりますが、社員間に横の繋がりは生まれません。個々のモチベーションは上がるかもしれませんが、社内が一丸となり次々に火がついていくようなシナジーは醸成されにくいのです。

一般的なワークショップの特徴と失敗例

ワークショップとは、参加者が主体的に参加して与えられたテーマについて、定められたステップで意見を交換したり、協力して何かをつくりあげ、他者理解や合意形成を行う場のことで、一般的にはファシリテーターが進行役をつとめて定められたステップを進めます。
最近は対話を目的としたワークショップも活発になってきています。ワークショップでは、強みだけでなく弱みも含めたありのままの自分をさらけ出す「自己開示」、それを受け止める「傾聴」などの体験を行うことがあります。
日常の業務のガス抜きにもなりますし、チームメンバーの意外な一面を知ることで、親しみを感じより仲良くなれるでしょう。ともに楽しい時間を過ごせるので、チームビルディングには大いに役立ちます。

ただ問題は、単発のイベントが多く、話し合った内容がその場限りで霧散しがちなことです。終了後にチームの前進のために必要なアウトプットが出せるかという点においては、やや疑問が残ります。チームビルディングだけでなく、組織のパーパスやMVVの浸透、立場を超えた相互理解や新規アイデアの創出といった対話の本質を目指す場合、物足りなさが残るでしょう。
かといってやみくもに内容を業務に絡めると、とたんに反省会のようになり、トーンダウンしてしまう危険性もあります。

共創ワークショップで対話をアウトプットに繋げる

それでは対話はどのように進めるのが得策なのでしょうか。
HackCampでは「対話」に「構造を与える」ことで、良質なアウトプットにつなげる方法をとっています。HackCampの「共創ワークショップ」の特徴を紹介します。

共創ワークショップとは

各自オンライン環境という心理的安全性の高いリラックスした状態で受講します。問い出しなどの個人ワークとブレインストーミングでの共有を反復する中で、全員が意見を出し、また相手の意見を聞き、お互いの意見を取り入れながら、プロセスを進めていきます。全ての工程を一気通貫で行うことで、最後には必ずアウトプットを残し、ネクストアクションを決定するところまで短期間で落とし込めることが特徴です。

共創ワークショップの要素

共創ワークショップは6ステップでデザインされています。

1. オリエンテーション・インプット
共創ワークショップには、多様な立場の社内スタッフだけでなく、クライアントや社外パートナーも参加できます。ワークに必要な前提知識や目的を共有することで、まず参加者の認識やレベル感を揃え、ワークショップの効率的な進行を目指します。

2. テーマの自分ごと化ワーク
提供されたテーマを深く考え、重要な観点を洗い出します。課題がどんな意味をもっているのか深掘りし、手を動かすことによって自分ごとにしていく時間です。

3. アイデア発散ワーク(ブレインストーミング)
大量にアイデアを発散します。発言が不得意な人も参加できる、楽しみながらの全員参加型の仕組みがあります。多様な観点から大量のアイデアを募り、互いを見ながらさらに自分のアイデアを増やしていきます。80名で1000枚以上のバーチャル付箋が飛び交った事例も。

4. アイデア創発ワーク
出てきたアイデアを見渡し、どういう方法でなら実現できるのかを考えます。取捨選択や統合を繰り返し、具体的で洗練されたアイデアにブラッシュアップします。

5. アイデア収束ワーク
求められるアウトプットに応じたリーンキャンバスやアイデアピッチなどのフォーマットにまとめ、チームメンバーやチーム間で共有します。お互いにフィードバックはしますが、審査といったジャッジはしません。

6. 振り返り
ワーク全体を振り返って感想を共有。またワークで可視化されたネクストアクション「誰が・何を・いつまでにする」を整理します。

共創ワークショップのどこがすごい?

共創ワークショップは、一人ひとりの声をきめ細やかにすくいあげ集合知とする場です。
様々なレイヤーの社員だけでなく、顧客企業や社外パートナーも巻き込んで開催できるとベストです。さらに、オンラインと構造化という心理的安全性の高さにより、普段あまり発言しない人からも意見が引き出せることから、従来の会議スタイルでは出なかった視点やアイデアも出ることでしょう。
こういった多様性が広がるほどケミストリーが発生し、素晴らしいアウトプットが生み出されます。全員が関わっていることから、エンゲージメントの向上も見込めます。

また、共創ワークショップでは「バックキャスティング」の考え方を基本としています。実績や現状の課題などから未来を考えるのではなく、ありたい理想の姿から逆算して「今なにをすべきか」を考えるのです。未来の答え合わせは誰にもできませんから、ジャッジもありません。理想への道筋を考え話し合うことは、非常にポジティブな対話となるのです。

【共創ワークショップの優位性】

1on1一般的なワークショップ共創ワークショップ
目的コミュニケーション
モチベーションアップ
コミュニケーション
他者理解
チームビルディング
チームビルディング
課題・意見の共通認識
問題解決・アイデア創出
合意形成
アウトプット参加者の気づき
会話の記憶
参加者の気づき
会話の記憶
意見、課題、解決策、合意形成、共通のゴール、ネクストステップ
1回に参加できる人数2名3名〜30名くらい3名〜80名くらい
多様性が結果に活かされる1on1でいろいろな人の意見を聞くには時間がかかる声の大きい人、よく知っている人が話す時間が長くなりがち全員が同じ分量の発言をする
発言者ではなく発言の内容重視で、たくさんの人の意見に触れ合える
かかる時間一人ずつで実施するので、全体ではかなりの時間を要する2~3時間/セッション60分/1ワーク x ワーク数

共創ワークショップの事例 

共創ワークショップを活用し、これまでなかった社内外の対話から新規事業のアイデアを作り出した大手通信キャリアがあります。参加したのは、新規事業開発部門を筆頭に、社内の開発部門、営業部門、そして顧客企業、開発パートナーまで、実に総勢80名です。

まずはワークショップの事務局内で、イベントのありたい姿のすり合わせをして、目的や成果物、参加者などから企画設計しました。製品に興味のある顧客企業とその営業担当にも声をかけ、さらには開発ベンダーからも参加者を募りました。お客様が欲しいサービスをその場で開発ベンダーと相談しながらアイデアを作ることができる立て付けです。

課題や最新技術のインプットを含め7時間にわたって実施したワークショップ。参加者の手ごたえは「現場の課題を聞ける機会は貴重で参考になった」「異業種の方と話すことで、違った目線での考えを知ることができた」「会社をまたいで自社だけでない視点の対話ができて良かった」と好感触。

事務局は、たくさんの人にアイデアを出す楽しさを知ってもらうことができたこと、また社員同士だけでなく社外関係者との対話の場所としても機能したこと、そしてみなさんの意見をサービスアイデアに落とし込めたことなどを受け、新しい試みはひとまず成功と喜ばれました。アウトプットの中にはそのまま商談に進むことになったアイデアも多数あったそうです。

対話のアウトプットを新規事業開発につなげる…
「壁打ち」無料相談を承り中

多様性の高いチームでの対話から生み出すことのできるアウトプットの一つが、新規事業のアイデアです。
普段どれだけ一緒に業務をしていても、対話の機会がなければ本質的な理想や課題について、共通の認識を持ち解決のアイデアを生み出すことはできません。そこには構造化された対話の枠組みが必要なのです。また、斬新なアイデアをパッと思いつくことは難しくても、お互いの知恵を出し合い、段階を踏んでアイデアの発散収束を進めることで新しいアイデアを見つけることが可能になります。
新規事業開発のミッションを負っている担当者様には、どうすれば、自社ならではの斬新なアイデアを考えられるか、具体的な方法にお困りの方もいらっしゃると思います。
そんな時は共創型ワークショップで、たくさんの新規事業開発の芽を育ててきたHackCampにご相談ください。課題が言語化できていなくても、案件となっていなくても大丈夫。HackCampが、お話を可視化しながら整理していきます。いわゆる「壁打ち」の機会として、ぜひご活用ください。

【オンライン無料相談会】壁打ちや案件化していないご相談も随時受付中

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